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飛び抜けた強さ 〜地上最強の男 竜〜

「地上最強の男 竜」「ガバメントを持った少年」
 作者:風忍(かぜしのぶ)
地上最強の男竜 (アクションコミックス)

 これは1977年、少年マガジン1〜20号に連載された作品である。
 実は、連載当時、私は「聖マッスル」同様にマガジン紙上でこの作品を読んでいた。
 が、現金収入のない子供は常に貧乏だ。
 当然、常に少年誌全部を買うこともできず。近くの本屋では立ち読みを続けたあまり、立ち入り禁止になってしまっていたので、最初の数回を読んだだけで、中断せざるを得なかった。
 
 しかしずっと気にはなっていた。

 今、あらためて手に入れ読んでみると……。
 これはすごい。
 もう、批評も、感想を述べることさえも拒絶する内容。絵柄。
 どんな人間でも0.2秒で殺すことができる男、竜。
 これをギャグとせずに、本気で描いているのなら、よほどの才能か狂人に違いない。

「ガバメントを持った少年」
 敢えてこの作品集にコメントをつけるとするならば、 横尾忠則らのセンスを吸収しつつ、展開する曼荼羅絵

 なかでも、「超高速の香織」この、魯鈍で愚直なわたしにも理解できる作品は
 体を高速化する薬物を飲んだ母が、突然起こったジェット機事故から子供を守る話であるが、後に、「銃夢」でクロック・アップされたガリィが感じるとまどいを、風忍はすでに15年前に描いているのだ。
 加速装置に関していえば、サイボーグ009、あるいはその原案となったベスターの「虎よ、虎よ」でも、既に描かれているとはいえ、それを話のメインテーマにした功績は大きい。

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