ふらりと入った本屋で何気なく手にしたのが、この本でした。
もちろん平積みではありません。
目立たぬ書架の、目立たぬ場所に、ひっそりとおかれていました。
手に取った瞬間、目に入ってくるのは、なんだか郷愁(きょうしゅう)を誘うヒマワリ畑の写真。
さすがに、わたしが子供の頃でも、茅葺き屋根の家は、ほとんど見かけませんでしたが、とにかく奇妙な懐かしさに誘われて、ページを繰り、目次を見ると……
日本人なら誰でも、小学校あるいは中学校の国語の教科書で目にしたことのある詩が、あるわあるわ、ずらりと並んでいます。
コピーには、
「昭和二十年代から平成八年までの日本の中学、高校の国語教科書千五百余冊の中から、誰もが知っている二百五十篇の詩、漢詩、訳詩、短歌、和歌、俳句を精選したまさに国民的愛唱詩歌集」
とあります。
およそ、今成人している人なら、一度は目にしたことがある詩歌集というわけです。
収録されている詩人も多彩です。
萩原朔太郎、高村光太郎、宮沢賢治、島崎藤村、土井晩翠、武者小路実篤、国木田独歩、釈迢空、高見順、伊東静雄、蒲原有明などなど。
個人的に、高村光太郎の「ぼろぼろな駝鳥」が載っていたので有頂天になってしまいました。
あと、若き天才少年谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」とかね。
巻末にうろおぼえ索引、作者・題名索引が載っているのも便利です。
この本は、ご夫婦で、あるいは親子でワイワイいいながら音読するのが正解でしょう。
案外、親子で同じ詩を習っているものですから。
とにかく、これはオススメです。