これは去年書いた作品です。
これは去年書いた作品です。
「由良」で書いたように、わたしのもうひとつの好きなテーマ、「犯人が最初に出て、探偵が最後まで出てこないミステリ」です。
梗概(こうがい)が残っていますので、内容紹介がわりに載せておきます。
プライベート・i(梗概)
ある朝、気がかりな夢から目覚めると、わたしは路地裏で死体と並んで座っていた。
左手は死体の肩に、右手にはナイフが握られており、どう見てもわたしが殺人者だ。
だが、わたしには、殺した覚えがないし、そもそも死んでいる男自体を知らないため、いそいで現場を逃げ出して、近くの友人宅に逃げ込んだのだった。
しかし、信じていた友人は、言葉巧みにわたしを騙し、出口の無い家にわたしを閉じこめて失踪してしまう。
訳がわからないまま焦るわたしに、パソコンから話しかける声があった。
「良かったら僕に話してくれないか」
「君は?」
「僕の名前はハマヤ、インターネット専門の探偵、プライベート・iさ」
半信半疑のわたしに、ハマヤは驚くべき推理力のさえを見せ、六年前の事件を絡めて、いつしかわたしを袋小路に追い詰めていくのだった。