まさかこのハナシが映画化されるとは……
もともとこれは筒井康隆がSF作家仲間の小松左京の「沈没成金」化をからかって作った短編なのだ。
仲間内ジョーク小説なのだ。
まあ、本家「沈没」が映画公開中の今なれば、なかなかタイムリーな映画化ともいえるのだが……
ストーリーは、短編でもあるし読んでもらえばいいのだろうが、内容はズバリ、
「日本以外が全部沈没したハナシ」だ。
ってそのままだが、さすがに筒井康隆だけあって世界沈没後の話には辛口のスパイスが効きまくっている。
例えば……
夜の街角に美しい外国人の女性が立っている。
それを見て、平社員風の男たちが会話をしている。
「あ、あれはブリ*ット・バルドーじゃないか。彼女まで夜の女になってしまっているのか?」
「日本に住まわせてやってるんだ、それぐらいはしてもらわないとな」
しかし、これって映画化可能なのか?
しかも、キャストは以下のとおり。
「出演は、新聞記者の“おれ”にNHKのテレビドラマ「ちゅらさん」シリーズや『あずみ』の小橋賢児、TV局プロデューサー、古賀に『オーバードライヴ』、『カミュなんて知らない』の柏原収史、科学雑誌記者、後藤に『回路』、『水霊 ミズチ』の松尾政寿、古賀の妻、明子に『釣りバカ日誌12』の土肥美緒、さらに保泉総理大臣役の村野武範と石山防衛庁長官役の藤岡弘、というTV版と映画版の元祖『日本沈没』で主役を演じた2人が歴史的共演を果たし、巨匠・筒井康隆(原作)が豪華に特別出演、加えて『007は二度死ぬ』『いかレスラー』のきくち英一、『キャプテン・ウルトラ』、『いかレスラー』の中田博久、『肉弾』、『ドラゴン・ヘッド』の寺田農、『コアラ課長』、『かにゴールキーパー』の黒田アーサーといった通好みの演技派キャストに、イジリー岡田、ダイハード鈴木、ユリオカ超特Q、破李拳竜といったマニアックな顔ぶれまで飛び出す爆笑の見せ場が随所に用意され、ついでにブレイク・クロフォード、キラ・ライチェブスカヤ、デルチャ・マハエラ・ガブリエラ、イアン・ムーア、ビル・ダーリング、トルシン・イゴール、ジャンポール・コルベイシャニタ・ラモス、マンスール・ジャーニ、朴慶完、鄭華南など、どこから連れてきたのか分からない国際派キャストが世界各国の元元首や元ハリウッド・スター役で一世一代の名演技を披露するなど、ある意味本家『●●沈没』にも負けない、驚きと衝撃に満ちた贅沢このうえないキャスティングが実現した」
シネマトピックス(http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?koukaituki=2&oid=7116)より
なんたって国際俳優、藤岡 弘が出るのがすごい(元祖沈没の主役だし)。
監修が実相寺なのもタッてる。
そしてその他の「どこから連れてきたかわからない国際派キャスト」ってのも……
是非、公式サイト(http://www.all-chinbotsu.com/)も見てほしい。
むぅ、原典:小松左京の文字が洒落てるじゃないの。
うーん。立喰師列伝よりこっちの方がインパクト強いかも。
ちなみに、列伝と本紀の違いがあやふやだったので改めて調べてみると(於 大辞林)、
●れつ‐でん【列伝】
1 多くの人々の伝記を書き並べたもの。「名将—」
2 紀伝体の歴史で、著名な人臣の伝記を書き連ねたもの。
●ほん‐ぎ【本紀】
紀伝体の歴史で、帝王1代の事跡を記したもの。
●きでん‐たい【紀伝体】
歴史記述の一形式。本紀(帝王の年代記)・列伝(臣下の伝記)・志(社会の現象)・
表(年表や系譜など)から成るが、本紀と列伝が中心なのでこの名がある。
「史記」に始まり中国の正史形式の標準となった。
ということだ。