先日、新聞に書かれていて「なるほど」と感心したのは『豚インフルエンザ発生で分かったこと』でした。
それは、意外に、季節外れの「季節性インフルエンザ」、いわゆる普通のインフルエンザにかかる人が多いということです。
通常、外気が低く、そのために体温が下がり体内免疫が低下する上ウイルスが低湿度を好むために、インフルエンザは「冬のもの」という意識が、わたしたちにはあると思います。
しかし、真性豚インフルエンザが見つかるまで、例の「顔の温度高いか低いか判定カメラ」(別名、ハイテクっぽく見えるが判定基準はチョー原始的装置)と問診で病気と判定される人々の多くが「Aソ連型」や「A香港型」だったのは記憶に新しいところです。
だいたい、年間、少ない年で2万人たらず、多い年で3万人もの人々がインフルエンザ(遠因含めて)で亡くなっているのですから、冬場だけでなく夏でも季節性インフルエンザにかかる人は多いのですね。
幸い、今のところ豚インフルエンザは弱毒性のもので、季節性インフルエンザと同程度(あるいはちょっと上)ぐらいの危険性らしいですが、油断は禁物です。
と、ここまで読まれて、みなさんは、わたしが、執拗に豚インフルエンザと書き続けているのに気がつかれたことでしょう。
個人的に、マスコミに踊らされるのは好きではない(特にコトバの上で)ので、いつのまにやら、「豚インフルエンザ(海外ではまだこの呼び名のはず)」から「新型インフルエンザ」に恣意的に変更された呼び方に迎合したくないため、もとの名を使い続けているわけです(まあ、ただのヘンクツですな)。
おそらくは養豚業その他に対する配慮、ということなのでしょうが、こういった、地道な謝った知識の訂正努力でなく、表層的で安易な、あまりにも一般人をバカにした変更は、なんだか気にいりませんね。
「バカどもがカンチガイしないように我々が導いてヤラネバ」といった、オタメゴカシ「ネバ」は不愉快です。
いろいろな記事を見るとゴールデンウイークあけあたりから、豚インフルエンザから新インフルエンザに変わっているような気がします。
話をもどして……とにかく、豚であろうが、Aソ連だろうが、一般的に、日本にはどんどんインフルエンザが入り込んできているわけです。
ニュース映像などで、老人たちが、あわてて薬局にマスクを買いに走る姿が映されています(これもマスコミ側の作為を感じます)が、そんな心配をするよりも、子供の時から、教えられているはずの、手洗い励行を行ったほうが、よほど効果的なようです。
皆さんご存じのように、風邪という病気は「カゼ」というひとつの病ではありません。
様々な菌・要因で起こる風邪症候群、つまりシンドロームなのですね。
だから、空気感染する菌でうつるものもあれば、接触でうつるものもある。
そして、インフルエンザを含め風邪症候群の多くは手からうつっているのです。
我々は、目に見えない脅威を恐れるものです。
だから、空気感染を恐れる。
しかし、ただ道を歩いたりする時、まわりの空気全部にウイルスが混入しているはずがありません。
路上、数メートル離れたオジさんが咳とくしゃみをしながら通り過ぎても、ウイルスの濃度はゼロに近いはずです。
よほど狭い密室の中でゴホゴホする人間と一緒にいないかぎり(飛行機やバス・電車・エレベーターなど、結構そういう状況はあるのですが)、常時マスクをするよりは、まめに手洗いをした方が有効なようです。
最近は、よくドラマなどでもやっているからご存じ方も多いでしょうが、手術前の医者の手洗いは普通ではありません。ブラシを使い執拗に長時間洗い続けるのです。
そこまでしなくとも、石鹸を使ってツメの間を洗い、手首まできっちり洗っておけば、感染の確率はかなり下がるはずです。
あと、帰宅したら、なるべく早く顔も洗っておいたほうが良いようですね。
女性にとっては、ちょっと面倒なことかもしれませんが。