トシのせいか、最近は涙もろくなっていけません。
先日も、何気なくYOUTUBEに自作ラジオ・ドラマをアップロードをする合間に目に付いた「懐かしのアニメ」に、涙ボーダとなってしまいました。
そのアニメとは、「マイティ・ハーキュリー」
カナダ制作のアニメーションです。
1963年の放送ですから、当然リアルタイムでは観ていませんが、おそらく再放送で目にしたことがあったのでしょう。
内容自体は、ギリシア神話のヘラクレス(英語読みでハーキュリー、オフレンチではエルキュール ←ポアロってヘラクレス・ポアロだったんだ!)が、半人半馬の少年の助けの求めに応じてオリュンポスからやってきて、悪人をブッとばす、という簡単な話なのですが……
オープニングの曲を聴いて胸をうたれたのです。
当時の海外アニメとしては珍しく?日本人による作曲に差し替えられておらず、歌詞だけが日本語になっているのですが、これがイイ!
短いけれど最高。
どことなくギリシア風で(ドコがっていわれたら困るんですが…ゾルバ風というかZ風というか、日曜はダメよ風というか……←「そこらへんはナゾってことで、カンベンして~」)短く、ダイナミックでコードもいい。
とりあえずお聞きください。
しかし、その時点では涙は出てきませんでした。
思いついて、米国TUBEでオリジナルを聴いたところ……そのカッコ良さに涙がとまらなくなったのですね。
これです↓
始めに書いたように、わたしは、子供の頃にこのアニメを観た記憶が定かではないので、これはノスタルジーではありません。
なぜなんだろう?
だけど何度か聴くうちに、ああ、わかりました。
歌詞がいいんですね。
ストレートで力強く、今のほとんどの若者の歌詞と違い「詩」になっている。美しく韻をふんで!
だから歌手も気持ちよさそうに歌っているのですよ。
書き起こしてみました。
(後の訳は適当です。英語の語感を日本語には替えられないので)
The Mighty Hercules
Hercules hero of song and story
Hercules winner of ancient glory
fighting for the right
fighting with his might
with a strength to tend
ordinary men
Hercules people are safe when near him
Hercules only the evil fear him
softness in his eyes
iron in his thighs
virtue in his heart
fire in every part
of the Mighty Hercules
ハーキュリー 歌と物語の中のヒーロー
ハーキュリー 太古の栄光につつまれた勝者
正義のために闘う
その力をもって
強さで普通の者を助けるために
ハーキュリー その側にいる時 人々は安堵し
ハーキュリー 悪者は恐怖する
双眸(そうぼう)は柔らかく
双脚は鋼鉄のごとし
ハートには美徳を
身体すべてが燃えている
それがマイティ・ハーキュリー
ホント、英語で歌うとサイコーに気持ちいい。
ちなみに、日本の歌詞はこれだそうです↓(日本語は聞き取れなかったので調べました)
「マイティハーキュリィ」
作詞/松坂直美
作曲/Sharp Les Winston・Single Ton Win
編曲/武市昌久
ハーキュリィ 力は強く
ハーキュリィ 正義の味方
悪い奴を こらしめて
世界中を 明るくする
ハーキュリィ 力は強く
ハーキュリィ ぼくらの味方
風のように 空をとんで
あばれ回る あーマイティハーキュリィ
出典:ユピテルレコード「僕達は忘れない!」YL95-1001~4(1983)
悪くはないし、曲に合わせて翻訳する難しさは、わたしも「荒城の月」や「花」の英詞訳をしたことがあるのでわかるつもりですが、もう少し、なんとかならなかったのかなぁ。
つまり、個人的に、歌う曲は押韻していたほうがすきなのですね。
そして、おそらく、すべてにおいて斜(ハス)に構える風潮が定着した現代では、このようなストレートな歌詞は作れないのでしょう。
その意味で、ギリシア神話に題材を得た子供向けのアニメであったとしても、こういった真っ直ぐな歌詞が書けた時代はそれだけで幸せだったのかもしれません。