シリア滞在中の欧米ジャーナリストたちが、潜伏していた建物を攻撃されて、殺されました。
テレビはみないので、日本の番組で、どの程度放送されたかわからないのですが、世界の主要メディアは、彼らの死をこぞってメインニュースにとりあげています。
当然のことながら、彼らは政府批判のため、つまり「正確な」報道をするために入国しようとするため、国からの「正式な」許可は下りず、結果的に密入国をしています。
シリア政府は、それを理由に、謝罪その他の正式対応は一切しないとコメントしました。
犠牲になったジャーナリストの中に、サンデー・タイムズの記者であるマリィ・コルヴィンがいます。
彼女は、およそ三十年にわたって、シェラレオネからチェチェンにいたるまで、世界の危険な紛争地ばかりを取材してきました。
一年前には、あのカダフ大佐に独占インタビューもしています。
以下は英BBCの映像です。
彼女は、中東を中心にジャーナリストとして活躍しました。
他の人が見ることができないものを見、伝えることが指名だと考えていたのです。
そして、それを身をもって実践してきました。
強すぎる勇気は、時に代償を求めます。
2001年、彼女は、スリランカ内戦の取材中に爆発に巻き込まれ、左目を失明しました。
「取材報道にリスクはつきものです。リスクを冒さずに取材はできません」
その時のコメントです。
多くの他の紛争ジャーナリスト同様、彼女の母は、
「娘は、大好きな仕事をしていて死んだのです」
と、(表向き)淡々と彼女の死を受け入れているように見えます。
単に危険という異常に、危険な仕事です。
常に覚悟はされていたのでしょう。
凛々しい人です。
これほど黒のアイパッチが似合う女性を、彼女以外では、アンジェリーナ・ジョリィ演じる「スカイキャプテン」のフランキィしか知りません。
最後に……
シリアに密入国した際の、彼女のメールが残っています。
「オフロード用のバイクで、猛スピードで野原を横切るのはちょっと面白かった。近くにシリアの検問所さえがなければもっとよかったのに、近いうちに会いましょうね」
戦争記者マリィ・コルヴィンは、2012年2月22日になくなりました。
この世から、またひとり、ハンサムな女性がなくなったことを切にいたみます。