ある記事を読んでいて、「その人に教養があるかどうかは、スイスの首都を訊けばわかる」という意見がありました。
そして、どうやら、わたしは、自分に教養がないことを知ってしまったのです。
昔から、そこに出かけて行かない限り、地理、というか地名にはあまり興味がわきません。
興味がなければ、しっかりと覚えることもできないわけです。
モチロンイイワケデスガ。
少なくとも、スイスの首都がチューリッヒでないことはわかりますが、スイスで興味があるのは、サンモリッツだけなので首都がわからない。
調べてみると「ベルン」でした。
記憶の端っこには入ってますが、すぐにで出てきませんねぇ。
だいたい、ドイツの首都は?と考えたら、最初に出てくるのはボンですから。
キャンディ・コーティングされたガム「チューイング・ボン」の、唇だけが画面に浮かんで「ボン」とつぶやくテレビCMとともにね(1965年にカネボウハリスから発売されて大ヒットしたお菓子です)。
なんか、世界の有名ドコロと、その国の首都というのは、ほとんど違うのですね。
国名が首都になっている国も少ないし。
ブラジルの「ブラジリア」のように、高所に無理矢理つくった近未来都市は別として。
もちろん、国名と首都が違っても、有名でわたしでも知っている地名はたくさんあります。
たとえば、ポルトガルの首都リスボン、レバノン共和国のベイルート、アイスランド(共和国)の首都レイキャビク、アイルランドの首都ダブリン、アルゼンチン(共和国)のブエノスアイレス、ウクライナのキエフ、オランダのアムステルダム、カンボジアのプノンペンなどなど。
ただ、訪れたことがなければ、オーストラリアの首都も間違いやすい。
メルボルン……じゃなくてキャンベラですね。
頭の中に、あの「ウォルシング マチルダ」が流れても、首都は間違ってしまう。
トルコはイスタンブール――ではなくて「アンカラ」です。
いっそ、グアテマラ(共和国)のように「グアテマラシティ」にしてくれたほうが分かりやすいですね。
メキシコの「メキシコシティ」とか。
あるいはモナコ公国の「モナコ」とか。
もっとも、その国で、なにか印象的な事件があれば、覚えるのはさほど難しくはありません。
たとえば、
カタールのドーハ(ご存じドーハの悲劇)
ザイール共和国のキンシャサ(モハメド・アリのキンシャサの奇跡)
フィンランドのヘルシンキ(オリンピックが印象的)
など。
だいたい、国内の地名と県庁所在地すら怪しいのに、諸外国の首都の話などするべきではないかも知れません。
一応列挙すると、
青森、秋田、山形、福島、千葉、東京、新潟、富山、福井、長野、岐阜、静岡、京都、大阪、奈良、和歌山、鳥取、岡山、広島、山口、徳島、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島
が、県名と県庁所在地が同じ。
違うのは、
北海道―札幌
岩手―盛岡
宮城―仙台
茨城―水戸
栃木―宇都宮
群馬―前橋
神奈川―横浜
石川―金沢
山梨―甲府
愛知―名古屋
三重―津
滋賀―大津
兵庫―神戸
島根―松江
香川―高松
愛媛―松山
沖縄―那覇
の17ですね。
最大の問題は、埼玉県の県庁所在地「さいたま市」をどちらに分類するかです。
こうやって見てみると、地名は、そこでの生活を想像できないと、つまり実際に足を運んで、そこの空気を吸わないと、記憶に定着させることが(わたしには)難しいことがわかりました。
上の地名でも、自分で出かけ、何日か過ごした場所は、はっきりと覚えていますが、それ以外はあやふやですから。
本来の『教養』、知識とはそれではいけないのかも知れませんが。
ともあれ、国内はともかく、外国へは、これから死ぬまでに、いくつの国へ足を運ぶことができるのか、寂しくもあり楽しみでもあります。